Graphical Feature
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中距離で世界を見る。
近づき過ぎるコミットはせず、遠すぎる日和見でもない距離感は、「天使」という存在の目線とも似ているのかもしれない。
天使のように世界を見ると、川や海の水辺、山の尾根、雲、道、建築物、そして人々たちは、固有名詞でもなく一般名詞でもない姿として浮かび上がる。
残酷さと優しさの間。政治とポエジーの間。自然と人間の間。そんな距離感で世界に向くことで、出会いがあり、ヒタヒタと何かが産まれてきたりするのかもしれない。
写真をとりとめもないような並べ方をすることで、その距離感がさらに浮かび上がることになったのかもしれない。まったく関係の無いようなものが、ふとページを跨いで通底してしまう空間。
ばらばらになった世界をつなぐ中間の場所を、写真がつくりだす可能性を見ているのかもしれない。